痛みのない治療

近年では、歯に悪いところがあるのに、歯科医院に行くことができない人が増えています。このような症状は、一般的に歯科恐怖症と呼ばれています。歯科恐怖症で悩んでいる人は、歯医者に行くだけで激しい息切れ、めまい、立ちくらみが起こります。また、歯科医院特有のにおいを感じただけでも、吐き気が起きるケースもあります。 このような症状が起きる原因は、ほとんどの場合、子どもの頃のトラウマによるものです。幼い頃、歯医者で注射をしたり、歯を削る耳障りな音を聞いたなどの辛い治療の思い出が、大人になっても想起されます。そんな経験があるために、歯医者に行く時に痛みや怖さがフィードバックしてしまい、歯医者が怖くなってしまうのです。

最近では、歯科恐怖症で苦しんでいる人のために、歯科医院では無痛治療を行っています。無痛治療の中でも代表的なものが、静脈内鎮静法というものです。これは、精神安定剤を静脈に点滴して痛みをなくすという方法です。もちろん点滴する薬剤は、体に全く害がないので安心です。 この点滴をすると、しだいに体がぽかぽかと温かくなってきます。そして、気持ちが良い温泉につかっているような感じになります。その後、1、2分で眠気が強くなって、眠ってしまいます。ですから、治療中は痛みや不快な音などは気にならなくなります。実際に静脈内鎮静法を受けた患者さんは、苦痛など全く感じないうちに治療が終わってしまったと話す方がほとんどです。